MIMにとって重要な測定評価ポイントは3つあります。
測れないものを測る
まずMIM部品はサイズが小さく、接触型の測定がほぼ不可能なケースが多いです。そのため一般的なノギスや3次元測定機では正確な評価ができないため、「測れないものを測る」技術が必要です。
ドイツ製
非接触3次元測定機(マイクロフォーカスモデル)
[※日本企業でいち早く導入。]
スイス製
非接触光学式3次元測定機
[※国内に数えるほどしかないハイスペックモデル]
日本マイクロMIMでは非接触の3次元の画像測定機を用いてこの技術課題を解決しています。非接触測定機には国内外さまざまなメーカーのものがありますが、形状や精度に応じて最適な測定ができる各種測定機を備えており、あらゆる評価測定が可能です。
見えないところを測る
次にMIMは金型を用いたり、日本マイクロMIMの特許技術である犠牲樹脂等を用いて内部構造に内ねじやアンダーカット等の複雑な形状を作ることが可能です。しかしこの部品内部形状はレーザーや可視光で観察が不可能なケースが多く、接触式はおろか光学式の測定評価が不可能なため、「見えないところを測る」技術が必要となります。
日本製
X線CTスキャンシステム(ニコン MCT225)
日本マイクロMIMでは複雑な内部形状をもった部品の測定用に、最新のX線CTスキャンシステムを社内に備えています。
通常は測定不可能な内部の3次元構造までデータ化し、評価することが可能で、任意箇所の断面図の取得や、CADデータとの比較解析、寸法測定など数多くの検査測定を、ワークを破壊せずに測定評価が可能です。
観測できないところを測る
3点目は、MIM加工のプロセス評価技術です。MIMは金属粉末を金型に射出成形して製作を行いますが、その過程は金型内で行われるため切削加工やプレス加工のように、その場観察を行うことが困難です。その一方、成型時の金属粉末の分布や流動が製品品質に大きな影響を与えるため、金型内のように「観察できないところを測る」ことが品質にとって大きなポイントとなります。
樹脂成形におけるCAE解析と同じように、MIMにおいても成形前に事前のシミュレーションを行うことで製作期間の短縮の実現が可能ですが、部品が高精度になればなるほど用いる金属粉末も細かくなるため、機械加工と同精度にあたる、寸法精度100分の3を超えるようなμ-MIMにおいては、CAEソフトを導入してすぐシミュレーションを行うことは不可能です。
日本マイクロMIMではCAEが普及する以前から、ソフトウェアメーカーと共同研究を行い、CAEソフトウェア自体を一緒に作ってきました。この経験により非常に高い精度・品質の各種シミュレーション技術を保有しています。