技術ニュース_vol.09配信

2019/02/21

Micro Metal Injection Molding

Technical NEWS LETTER
株式会社 日本マイクロMIMホールディングス 技術ニュース

μ-MIMで広がるチタン系材料の用途

鉄系金属合金には無い様々な特性に優れることで非鉄金属の代表として知られる純チタンおよびその合金材料は、幅広い分野でのニーズが年間10%近い勢いで市場拡大を続けています。特にその高い耐腐食性・比強度からアイウェアや時計の装飾部品から最先端の宇宙・航空、医療機器向け部品まで用途は様々であり、期待される諸特性から新規の合金系の開発や、熱処理など二次加工を組み合わせることでより機能性を高めた材質の開発が盛んに行われています。しかしながら、チタン系材料はステンレス材以上に加工が難しく、高精度な微細加工や量産化には常に技術・コスト面での課題が生じます。そこで古くから粉末冶金での加工に向けたアプローチが注目されて来ましたが、チタン系合金のように活性が高い金属は酸素・窒素・水素、炭素などの軽元素との反応が起こりやすく、それが物性に大きな影響を及ぼします。このため特にミクロン台の微粉を原料とするMIMではコンタミ元素や金属結晶組織の制御に高度な焼結ノウハウが必要とされます。弊社では最終製品の金属組織の状態から各種元素分析、物性評価まで一貫して対応可能です。このような分析・評価は世界でも極一部のMIMメーカでしか対応しておりません。

- 軸や摺動部の一体化で部品点数を削減 -

自由曲面の多い部品やアスペクト比の大きくなるφ1mm以下の穴、軸の多い部品など機械加工では工数の多く必要な形状での量産に力を発揮します。チタン系材料の弱点である溶接の難易度も気にすることなく、複雑形状部品や複数部品の組み合わせ形状でも一体化への設計変更が実現可能です。

- 分析・評価まで一貫した対応が可能-

粉末冶金の技術を基盤としているため、様々な合金粉の組合わせや添加元素の混合から新規の合金系の開発まで対応可能です。チタン系合金は微量な添加元素と熱処理条件によりその組織を大きく変える金属で、目標となる物性獲得に向けて新規の合金系の開発が活発に行われています。

- 国内外のトップメーカとの連携を実現 -

チタン系合金での二次加工・表面処理には独自のノウハウを必要とします。鏡面研磨加工、窒化、陽極酸化、レーザー刻印といった様々な加工技術も形状の複雑な微細部品では繊細な条件出しが必要となるため、国内外の豊富な実績を持ったメーカからご提案いたします。是非お問い合わせください。

社員コラム

東京営業所の岡村です。先日はお忙しい中、微細加工EXPO並びに彩の国ビジネスアリーナにて当社のブースへとお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。弊社の国内での展示会は今回が平成最後となりました。区切りの年となります2019年は、お客様の新たな課題に対してあらゆる技術で応えたいと考えております。今回の彩の国展示会のスローガンでもあった「見つけよう彩新技術、つなげよう未来へ」という背景もあり多くの新技術が出展しており、お客様の方からまったく新しい様々な技術課題の相談にお越しいただけました。国内外の数多くの展示会に出展してまいりましたが、技術の発展は同時に常に新しい課題(発見)を生み出していると感じました。