技術ニュース_vol.10配信

2019/03/28

Micro Metal Injection Molding

Technical NEWS LETTER
株式会社 日本マイクロMIMホールディングス 技術ニュース

最新の分析評価技術で安心のμ-MIM

これまで紹介してまいりました様々な金属材料の特性を決めているのが、その組成と金属組織の状態です。弊社では新規の合金系の試作開発はもちろん、日々の量産材においても安心してお使いいただけるよう、その評価体系も整えてまいりました。今回のニュースレターではその一部をご紹介いたします。国内最先端の設備や特殊な試作設備がμ-MIMの生産を支えています。日々の新しいニーズに柔軟に対応すべく、多くの分析機器や試作・評価体系を整えています。下記の装置類に限らず、分析・試作・評価についても個別で開発スポットごとに対応が可能ですので是非ご相談下さい。

- 高速サンプリングと制御分解能で正確なSSカーブ-

材料試験で最も一般的な引張・曲げ・圧縮試験が可能な設備で、特に金属材料では試料に破断するまで制御された張力をかけ、試料の引張強度、降伏点、伸びなどの機械的性質を測定する引張試験を行うことが多いです。必要に応じて新規の合金系においても引張試験片の作製を行い、測定結果から、ヤング率、ポアソン比、降伏強さ、などを算出して得ることができます。

-微細部品の硬さ分布確認にも対応可能-

ビッカース硬さ(Vickers hardness)は、硬さを表す尺度の一つで、所定の荷重でピラミッド状の圧子をワークに押し込み、得られた正方形の圧痕の対角線から硬度を算出します。特に微細な金属部品の取扱の多い弊社では、ミツトヨのマイクロビッカース硬さ試験機を導入しておりますので、製品実物での対比も可能です。

- 金属材料の物性を決める重要なファクター-

材料ごとの規格も定められており、特に左図のようにマルテンサイト組織を形成する鋼種での品質を維持するためには材料中の炭素(C)の含有量を厳密に管理することが不可欠です。MIMでは原料金属粉末に大量の樹脂成分を添加しての加工を行うため、カーボンのコントロールは非常に難しく、重要な管理項目となります。

-粉末単位の断面観察から微量付着物の特定まで-

SU1510は、高画質化によるSEM解析力や操作性の向上を目的に、日立ハイテクのノウハウを集結してつくられた最も汎用性の高い機種でX-actを合わせて導入致しました。こちらの設備を使用する事で、例えばMIM焼結体表面の元素分布の確認や、下記の断面試料と合わせて、メッキ層の確認などが可能です。

-より正確な試料作製から現象を把握-

イオンミリング装置は、アルゴンビームによりイオンスパッタリング現象を用いることにより応力レスで熱影響も少なく素材を変質させることなく試料表面の平坦加工を行う装置です。SEMで観察する際の試料断面に対して処理することで、端面に平行かつ平坦な試料断面を得ることができ、メッキ界面の状態や金属組織観察がより現実に近い状態で可能です。