技術ニュース_vol.20配信

2020/07/07

Micro Metal Injection Molding

Technical NEWS LETTER
株式会社 日本マイクロMIMホールディングス 技術ニュース

積層造形法 第2弾 金属3DプリンターとMIMの共存共栄

前回に引続き金属3Dプリンターについて, 今回はMIMメーカーの視点から総括と今後の展望を紹介します.

金属3Dプリンターのまとめ

現在,金属3Dプリンターは,技術の進化に伴い各種各様の機器が登場し,それぞれのプロセスに由来する一長一短を有しながら,生き残りを賭けてまさにしのぎを削っている状況にあると言えます. 金属3Dプリンターの種類を粉末固化のタイミングの観点から表にまとめました.さまざまな種類の金属3Dプリンターが開発されており,この表にまとめきれない方法もありますが,現時点で代表的な方法を挙げました.

MIMとの共存共栄

造形後に焼結をする方法は,脱脂・焼成工程が必要ですが,この工程はMIMにおいても欠かせない工程であるため,我々の技術が活かせる,つまりMIMと金属3Dプリンターが共存共栄できる領域であると言えます. FDM方式とも呼ばれる金属粉末とバインダの混合体を用いる方式では,従来はフィラメントと称する,あらかじめ線材や棒材に加工した原料を供給する造形方式が先行していましたが,近年MIMで使用するペレット状のフィードストックを直接供給する方式*の金属3Dプリンターが登場しました. この方法は,我々MIMメーカーにとって従来の原材料プロセスがそのまま適用でき,さらに原材料の知見があることから造形後の脱脂・焼結プロセスに関するリスクが限定的と考えられるため,金属3Dプリンター導入の技術障壁を最小限に抑えられる方法と言えます.これまで培ってきた技術を脱脂・焼結に止まらず,より広範囲な工程で活かせるため,お客様への試作対応が円滑に進められる大きな利点を有しています.

当社の指針

我々は,本方式の金属3Dプリンターに着目し,自社のフィードストックの試作検討を経て,右図のようにその実効性を確認しております. 従来方式の金属3Dプリンターで課題を感じておられるお客様には,当社フィードストックを用いた検討もお勧めしたいです.試作の相談にも応じておりますので,お気軽にお声掛けください.

コラム

こんにちは.成形を担当している宮崎です.成形体の外観管理に加え,その成形に使う材料評価も担当しているため,材料によって成形体に現れる特徴を抑えた管理が出来ていると自負しています. 休日は,数時間後に雨が降ろうとも必ず洗車をして車に愛情を注いでいます.いかにボディ全体の光沢を出し,それを次の洗車までの1週間維持出来るかという点にこだわり,2時間ほどかけてピカピカに仕上げています. 最近,トルコの方が営んでいる本格派トルコ料理の店に行き,初めて食べたケバブの美味しさに深く感動しました.トルコアイスはまだ美味しさが分かりませんでしたが,世界の知らない料理をもっと食べてみたいと思いました.