技術ニュース_vol.23配信

2020/10/29

Micro Metal Injection Molding

Technical NEWS LETTER
株式会社 日本マイクロMIMホールディングス 技術ニュース

合金開発に威力を発揮する解析手法

EBSDを活用した合金開発

EBSDとは後方散乱電子回折(Electron Back Scattered Diffraction)の略で,2000年頃から普及した結晶解析分野における画期的な手法です.装置は,EDXのように既存のSEMに設置して使用します.最大の特長は,各結晶粒毎の結晶方位の情報が得られること,ひいては集合組織や結晶相分布を色分けし,その面積率から結晶相の比率を算出できることです.

具体的な活用事例

弊社では外部機関の協力のもと,EBSDを新しいチタン合金の開発に活用しています.ご承知のように,チタン合金はα相,β相の構成比率が特性を決める大きな要因となるのため,目的に合った合金組成を立案し,試作品の結晶状態を検証するために不可欠な存在となっています.下の図は,EBSDで得られる画像です.結晶粒径はもちろん,狙いどおりの結晶相の構成が実現できているかどうかを判別することができます.EBSDの基本の考え方(菊池パターン)は昔から知られていますが,コンピュータの演算速度の飛躍的な進歩と適切なソフトウエアの開発により進化を続け,筆者の学生時代からは想像も出来ないことが今では材料開発の現場で普通に行われています.コンピュータの進化による恩恵を存分に生かしたsuper-alloyの実現につなげたいものです.

お知らせ

2010年からクリエイション・コア東大阪に展開しておりましたリサーチラボの機能を,2020年6月に本社構内に移転しました.拠点統合によりμ-MIM®の開発力を効率よく発揮し,日々新しいテーマに取り組んでいます.

コラム

はじめまして,総務部の川島高子です.入社して1年6か月になります.経理関係・保守管理,および従業員の働きやすい環境作りを目指して,まだまだ半人前ですが、ひとつひとつのお仕事に一生懸命取り組んでおります. 趣味は韓国ドラマ・コスメ・フード・アイドルです.特に,韓国コスメはお手頃なお値段で日本の百貨店で購入する物よりも効果が高かったりします.(個人の感想ですが・・・)韓国ドラマのおかげでこの度の自粛期間も思ったより退屈せずに過ごす事が出来ました. 最近楽しかったことは、会社でプチ運動会をした事です.縄跳びやフラフープなど単純な競技でしたが意外な人が上手だったり,なんだか動きが変な人がいたり,みんなで大笑いして過ごしました.