技術ニュース_vol.22配信

2020/10/06

Micro Metal Injection Molding

Technical NEWS LETTER
株式会社 日本マイクロMIMホールディングス 技術ニュース

薄肉形状を持つ金属部品の量産技術

今回は薄肉構造を持つ部品の量産技術について紹介します. このSEM画像は我々が量産した薄い板状の部品の一部で,先端部分の厚さが約10μmです.このような薄い形状を成形するには金型,成形,焼結技術に加えて材料開発力が問われます.薄肉形状を成形する金型は,金型内に残留している気体が材料の充填と共に金型外に押し出されるような機構を設けることが重要です.薄肉形状はフィードストックを素早く充填する必要があるため,気体の抜け道の設計が品質に大きな影響を及ぼす場合が多いです.また,微粉末を使用して成形するため,パーティングラインが成形体で確認できないくらい高精度な設計と製造技術が不可欠です.微小で薄肉になるほどフィードストックの温度が早く下がってしまうため,短時間で成形する必要があります.短時間で成形を完了させるには流動性の高いフィードストックを使用します. しかし,一般的に流動性の高いフィードストックの成形体は脆くなるため,離型時や脱脂・焼結工程中に破損や変形が発生する可能性が高くなります.我々のμ-MIM®技術が開発したフィードストックは高い流動性を保ちながら,強度のある成形体,脱脂焼結時に変形が少ないという特徴を併せ持っております.薄肉形状を持つ金属部品の量産は μ-MIM®技術が承ります. バインダーについて,12号で詳しく紹介しております.

展示会情報 SIDO展示会

2020年9月3-4日にフランスの南東部リヨンにて,コロナ自粛期間後初の展示・商談会に参加してきました.出展は約350社,訪問者は2日間で延べ8487名(内リアル参加が7856名,オンライン参加が1731名)でした. AIやロボット関連の展示会で、ロボット(工場での自動化など以外で,サービス分野に使用されるもの)は2026年に2億6,430万ユーロになると予想されています. 日本マイクロMIMは,ロボットやウェアラブル機器の小型金属部品も生産しております. 余談ですが,リヨンという街は人口が約170万人でパリに次いで2番目に大きな都市圏です.西をソーヌ川,東をローヌ川が流れ,双方の川が合流する地点に街があり,ユネスコの世界遺産に登録されている街の中心部は半島に近い形をしています. また, 「食通の街リヨン」として有名で,ボジョレのワインが日本でも知られています.2年に一度,SIRHA(シラ)国際外食産業見本市があり,その中で製菓ワールドカップが開催されます.各国を代表して一流のパティシエ達が3人1チームで参加し,3つの種目で世界一を競います.他にも国際美食館があり,食事の楽しみだけでなく,健康や生活の質,フランス式ライフスタイルといったテーマも取り上げられています.

コラム

初めまして,製造部焼結担当の岡山です.業務内容は,製品の焼結,検査,研磨工程などです.2019年の12月に入社し,まもなく1年になります.仕事上でのモットーは,楽しくポジティブにです. 趣味はラーメン食べ歩きです.同じラーメンでも店によって全く違うところが面白いです.最近良かったことは,車を買ったことです.車があると行動範囲が広がり,休日の生活が大きく充実した有意義な時間になりました.