技術ニュース_vol.30配信

2021/07/27

Micro Metal Injection Molding

Technical NEWS LETTER
株式会社 日本マイクロMIMホールディングス 技術ニュース

今回は金型技術について紹介します.MIMの製造工程において唯一形状を与える成形工程で使用する金型が最終形状を決定します.多くのMIMメーカーは金型を内製していますが,我々はその重要な金型の加工は提携している金型加工メーカーに依頼しています.これは他のMIMメーカーと我々の成形に対する考え方が大きく異なることに起因します.

一般的なMIMメーカーとの考え方の違い

MIM業界では,成形でニアネットシェイプ,後加工で最終形状を製造するという考え方が一般的ですが,我々は成形でネットシェイプ製造することにこだわっています. 我々はプラスチック製造で創業したので,MIMにおいても成形工程で最終形状を達成し,後加工を省くあるいは最小限に抑えることを常に考えています.その結果,後加工が困難な微細部品の製造において実績をあげてまいりました. プラスチックの成形と異なり,後加工が一般的な金属部品加工の1つであるMIM業界ではあまり重視されていなかった金型の精度に,我々はプラスチック製造で培った成形技術の高さを反映すべくこだわり続けました.製品の形状に応じて依頼する金型加工パートナーを選ばせていただき, 加工委託し現在に至ります.

世界屈指の技術を持つ金型加工パートナ

金型加工をパートナーに委ねる理由として,その全く異なる加工技術を社内で確保することが不可能であると考えている点があげられます.例えば,歯車を加工するのに必要な工具とその加工技術と,サブミクロンオーダーのピンを加工するに必要な工具とその加工技術は全く異なることは容易に想像できると思います.微小で複雑な形状を持つ金属部品の製造を受託し,それぞれの金型形状をパートナーに加工していただき,我々はフィードストック,成形技術の開発研鑽に注力し,世界屈指の技術をもつ金型メーカーとパートナーシップを保っています.

金型加工パートナーがウェビナーに登壇

日本マイクロMIMは我々の技術を紹介するウェビナーを開催しています.次回は8月4日にμ-MIM®技術を支える金型技術について,狭山金型製作所の大場常務をゲストに招いて開催します.特に微細な構造を持つ製品の金型は狭山金型製作所に依頼しています.英語での開催になりますが,製品事例も紹介しておりますのでご覧いただければ幸いです.登録など詳しい情報は日本マイクロMIMのホームページ(英語)をご参照ください.(https://micro-mim.eu/micro-mim-webinar/)

社員コラム

入社10年目の渡邉です.研究開発の試料作製とその評価,また量産品の評価・測定の責任者として業務にあたっています.試料は細部にこだわって作製し,相手に伝わる分かりやすい報告資料作りを心がけています. 趣味は細部にこだわった模型作りで,最近は地面も作るようになりました.これからも模型作りも評価測定も精進していきます.