技術ニュース_vol.35配信

2022/04/21

Micro Metal Injection Molding

Technical NEWS LETTER
株式会社 日本マイクロMIMホールディングス 技術ニュース

日本マイクロMIMホールディングスおよび太盛工業 本社工場改築について

今月は技術の話題から離れて、本年1月に完了しました当社の大型リニューアルについてご報告します.

本社工場

太盛工業は,1972年の創業時から数十年はプラスチックの射出成形を生業としていたため,本社工場には最大220トンの成形機が配置されていました. 現在は,プラスチックの成形技術をベースとした金属粉末射出成形(MIM)の事業に特化しているため,改築後の本社工場は以前使用していた大型の成形機を処分し,微小複雑形状のμ-MIM部品に適した数十トンクラスの成形機をラインナップしています. さらに新しい本社工場は,工場内を正圧状態に保つシステムや配管,配線類をすべて床下に配置することで,作業環境を大幅に改善しました. また,工場1階に別途測定室を設けX線CT装置も稼働しています. 製造から検査までを本社で完結することで,さらに高いレベルの品質管理体制が実現しました.

PM工場

PM工場の一角に,3Dプリンタ室を設置しました.現在はIncus社のLMM (Lithography-based Metal Manufacturing) 方式の3Dプリンターを運用しています.感光性樹脂を使用するため,このプリンタ部屋はイエロールームとなっております.このイエロールームでは,μ-MIM技術を活用した試作や極小ロットの生産体制を整えるべく,島津製作所製の小型真空脱脂焼結炉VHS-CUBEも導入しました.露光による不良発生の恐れなく,焼結体までを得るシステムが構築でき,さらにμ-MIM技術を小さい投資で検討いただけるようになりました.

今後の動向

ISO13485に基づく品質マネジメントシステムを構築・維持し,技術の発展が著しい医療機器産業の法令や規則の変化にも迅速かつ柔軟に対応できる体制を確立していきます. 特に,製造ラインにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めており,製造管理,品質管理体制の強化を図っております. これからもお客様の多様な要求に対して,高度な技術水準で量産化に向けて取り組んで参ります.