技術ニュース_vol.38配信

2022/07/29

Micro Metal Injection Molding

Technical NEWS LETTER
株式会社 日本マイクロMIMホールディングス 技術ニュース

μ-MIM技術の特徴は,数十μmの薄肉形状,中空構造や自由局面などの3次元複雑形状,シャープエッジがネットシェイプ成形で高精度な量産が可能な点です.下記に,μ-MIM技術を最大限に生かしたいくつかの製品を紹介します.

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(1)マイクロ鉗子

3次元の位置精度が求められる医療用金属部品の量産では,μ-MIM技術の特徴が活きる形状の問い合わせが増えておりますが,マイクロ鉗子と呼ばれる全長が数十mm程度の鉗子を紹介します.機械加工では量産が難しい100μm程度の壁構造,アンダーカット形状を持つ部品もネットシェイプで量産するため,使い捨て利用を実現します.二次加工をゼロ,あるいは最小限に抑制するため,位置度安定性が高い点も評価されています.また,医療機器用部品における表面処理でも,要求される基準を満たす実績をあげています. ISO13485認定の品質管理システムの下,複雑な形状をもつ部品も非破壊検査で品質を保証します.

(2)マイクロギア

長年の精密射出成形の経験により培われた射出成形技術により,直径が数ミリ以下の微小サイズのギア,小モジュール(最小モジュール0.025)ギア,複数の歯車や軸部品などとの一体化ギアなどを様々なタイプのギア(ベベルギア・マイタギア・ヘリカルギア等)を安定量産しています.特に左図中のヘリカルギアと平歯ギアの一体ギアとそれに対応するヘリカルギアはμ-MIM技術の特徴がよく現れている事例と言えます.位置度の安定性良く,複雑で微小なギアを高品質で量産しておりますが,さらにその品質評価技術もお客様から高い評価をいただいています.

(3)シャープエッジ

鋭角部分の厚さ10μm,曲率半径5μmを実現した高精度な先端部品です.μ-MIM技術のバインダにより,一般的なMIMでは困難なシャープエッジ形状を持つ部品も安定性高く成形している事例です.μ-MIMのバインダは微小で複雑な形状の量産に特化しているので,微細な粉末を使用したフィードストックを金型転写性高く,高い品質で成形することが可能です.ナイフ,ハサミ,ブレードといったシャープエッジが求められる製品の量産を研磨の後加工無しで対応します.

まとめ

上記の製品例は公開できる一部の事例ですが,μ-MIM技術では一般的なMIMでは諦めていた形状,機械加工では量産が難しい形状を安定した品質で量産しています.これからもお客様満足度の高いサービスを提供できるよう努めて参ります. 世界市場向けのOEM企業として,お問い合わせをお待ちしております.

展示会情報

9月27日(火)-30日(金) フランスのブザンソンで開催されるMicronora(欧州最大のマイクロテクノロジー展示会)に出展します. お越しの際は是非当社ブースにもお立ち寄り下さい. ブース番号:C504